質のわるい弟子どもを師匠が折檻するのはめずらしくはない、町の師匠でも弓の折れや竹切れで引っぱたくのは幾らもあります。かみなり師匠のあだ名を取っているような怖い先生になると、自分の机のそばに薪ざっぽうを置いているのさえある。まして、武家の師匠がたんぽ[#「たんぽ」に傍点]槍でお見舞い申すぐらいのことは、その当時としては別に問題にはなりません。大塚もそれを兎やこう云うのではないが、なぜ町家の子供をかばって、武家の子どもばかりを折檻したかと詰問したいのです。どこの親もわが子は可愛い。現に自分のせがれは病人になるほどの酷《ひど》い目に逢っているのに、相手の方はみな無事に帰されたという。それはいかにも片手落ちの捌きではないかという不満が胸一ぱいに漲っているのです。もう一つには、なんと云っても相手は町人の子どもである。町人の子どもと武士の子どもが喧嘩をした場合に、武家の師匠が町人の贔屓をして、武士の子供を手ひどく折檻するのは其意を得ないという肚もあります。かた/″\して大塚は早朝からその掛合いに来たのでした。 浦安 歯科青田と赤子はほめられぬ ? Forum anzeigen ? Dein erstes Forum